心と人生の処方箋

人生には様々な困難や苦しみ、迷い、哀しみ、挫折がある。しかし人は、気付きと行動によって、誰でも自分自身の中に希望の星を見出すことができる。心を開き、気付きと創造の旅に出よう。たった一度の人生を、悔いのないものとなるように。

タロットを勉強することは、自己分析能力を上げることにも繋がる

タロットには、人間が体験・経験することのすべてが描かれている。

タロットというと占いのイメージが強いし、もちろん占いのツールでもあるのだが、それだけではなく自分を知るための、カードの体系をした教科書・説明書という役割を持つツールでもある。

 

大アルカナカード22枚は0の愚者から21世界までの成り立ちで構成されており、それらには、私たちの物事の始まりの段階から一つの完成へと至るまでのプロセスが描かれている。

小アルカナは56枚。1から10の数字と4つのスートから成り立つ40枚のカードと、そのスートを扱う階級或いは意識の発達段階の違う人物が描かれた16枚のコートカードから成り立っている。

これらも、私たちが体験、経験する物事をより具体的に現すものとなっている。

「物事」と書いたが、実際のところ、タロットは私たちの潜在意識や内面変化のプロセスを映し出している。なぜなら、外側の出来事は私たち個人の内側を映し出してもいるからだ。

 

例えば、常識や「こうあらねばならない」といった理想や考えに縛られている人の前に、自由奔放で非常識な人間が現れ、イライラさせられる。しかしその出来事は、自分の内面にある常識に縛られ、それが自分にとってすでに重荷や苦しみになっている自分、本当はもっと奔放に振る舞いたい自分、相手を自分の思い通りにさせたい自分等に気付くために見せられた映像だった…という具合に。

 

自分を客観的に見つめ、常に冷静に自己分析できる余裕、メタ思考能力があれば良いのだが、私たちはどうしても自分の価値観という狭い範囲で物事を判断しがちだ。

だから苦しむし、達成したい何かがあってもいつも同じところで失敗したり、つまずいたり、更には「やっぱり自分はダメなやつなんだ」と人生そのものを投げ出してしまうことも起こりうる。

どうしようもなく高い壁が立ちはだかり、自分にはどうにもできないと諦め、ますます「自分は無力だ」といった烙印を自らに押し付けてしまう。

そんな時、私たちは視野が狭くなっているか、同じ行動パターンが繰り返されているかのどちらかに陥ってはいないかなど、自己分析してみる必要がある。。

 

他人の背中は良く見えるもので、幸運にも身近な誰かが指摘してくれることもあるかもしれない。

アドバイス(あくまでも適切なアドバイス)を素直に受け入れ、行動に移し、変化していけるならそれに越したことはない。

しかしそのような機会に恵まれても、身近な人の意見ほど軽んじてしまう傾向もあったりして、なかなか思うようにはいかないものだ。

 

けれどタロットが現す世界観を勉強し、心を開いて理解しようと努めるならば、自分がどの罠に落ちいっているのかを見抜ける可能性は大いにある。

タロットには、学校や社会では教えられなかった「人間」に関することが沢山描かれているからだ。

何かの問題に直面したとき、これまでの価値観や判断基準、ありきたりの意見などではないメッセージをタロットはもたらす。

 

だからこそ、客観的に自分を見るという余裕を与えられ、その人自身の内面の新陳代謝を促し、気付きを得ることができるのではないだろうか。

つまり、それまでとは全く違う視点や気付きを得られることによって、自己分析能力があがるというわけだ。

ちなみに、自己を分析しようにも、物事を見るわずかな視点しか持ち合わせていないのならば、いつものパターンに陥ってしまうのも無理はない。

 

タロットを知るということは、自分を知っていくということにも繋がる。

タロットは基本的にそのときに出たカードを読んでいくものだが、22枚ないし78枚のカードから選ばれたカードは、物質的に意図して選んだものではない、というところにタロットの本質があるように思う。

偶然出た、あるいは運命によって選び出されたカードだからこそ、そこから思いもしなかったメッセージを読み取ることができる。

だからこそ、柔軟な視点で物事を見る目を養えるし、私たちの心を縛りつけている何かから解き放ち、新たな活力を与えてくれるのではないだろうか。